雄琴ソープランドの歴史

大阪ではソープ店が一軒もなくなり、以来、兵庫県の福原と並んで関西の２大ソープランド街の双璧である雄琴。福原はそもそも外国人居留地のために作られた遊郭をルーツとしているかなりの歴史がある街である。それに比べ、雄琴のソープ街の歴史はかなり浅く、1971年雄琴の第一号店「花影」が誕生したのが始まりである。

さて、ここでいう「雄琴」とは、ソープ街の雄琴を指し、ソープ街から北約500m離れたおごと温泉は最澄が開いた湯場とされていて、温泉街の歴史は昭和初期からあることを付け加えておこう。

さて、昭和の初期、滋賀にも遊郭はあったが、彦根、八幡、八日市、草津、水口、大津、長浜とあったが、雄琴ソープ街は当時、一面の田園地帯であったということである。

では、そのような土地に今日のソープ街ができた背景を、もう少し書いておこう。

売春防止法の全面施行が昭和33年、その後、現在のソープのルーツといえる、トルコ風呂および、トルコ嬢の数は昭和三十四で、トルコ風呂100軒、トルコ嬢が1,122名であったものが、昭和39年１月にはトルコ風呂390軒、トルコ嬢7,203名、昭和40年8月にはトルコ風呂544軒と、うなぎ昇りに増加し、そこで、いわゆる現在の手コキにあたる、スペシャル・サービスが殆どの店で行われており、本番も行われている店も多数あった。

そこで昭和41年、トルコ風呂を規制する法律が通り、風俗営業法の適用を受け、それぞれ条例で営業許可地が定められ、営業するにも届け出が必要になった。
当時は、室内を覗けるよう、覗き窓をつけることが必要であるとか、個室内には一人用の蒸し風呂を置く必要があるなど細かい規定も多かったという。

さて、滋賀でトルコ風呂の営業許可地となったのは、現在の雄琴ソープ街がある約30万平方メートルのという広大な土地である。
しかし、昭和46年当時もこの辺りは田園地帯であったという、それを田守世四郎氏が当時花開きつつあった車社会、自家用車時代を見越し、「いい店を作れば、人は車で来てくれる」という先見の明で、雄琴の第一号店「花影」がオープンさせたのである。それが1971年（昭和46年）2月6日ことであった。

このあたりの話は、広大な砂地を一大カジノの街に変貌させる先駆けとなった、バグジーことベンジャミン・シーゲルのようでわくわくしてくる。

さて、「花影」はオープン初日から客があふれかえり、午後3時から午前2時までに200人が来店。100人は満員で帰宅を余儀なくされたという。ちなみに。当時15人の嬢で、1人あたり13人の客の相手をしたことになる。

そしてオープンから数ヶ月この状態が続いたという。雄琴の評判に裏付けされたのは、関東から呼び寄せられた嬢たちのサービス力だった。

技の堀之内と呼ばれている堀之内の嬢が今のアボディ洗い「泡踊り」を考案したと言われている。

関西ではまだ、いわゆるちょんの間の人気も根強く、ソープ独自のサービスを考案せずとも良いという土壌があったのかもしれない。

さて、雄琴のトルコ街はその勢いに乗り、1971年（昭和46年）末までに7軒が、そして翌年1972年には8軒が新たに加わり、1973年には総軒数29軒が営業し一大トルコ街になったのである。

さて、「トルコ風呂」の名称変更は、1984年（昭和59年）、東京大学のトルコ人留学生のが当時の厚生省に名称変更を訴え出たことが発端となり、「東京都特殊浴場協会」による公募で、1984年（昭和59年）12月19日、「ソープランド」と改称し今に至るのである。